桜風 〜春の雪〜

意識の遠くに聞こえる

ザワザワした女の子たちの声…

それをかき消すように

耳元に響くチャイムの音は、あたしたちに新しい始まりを告げている。


あたしは微かに香る、桜の甘い匂いにぼんやりと意識を任せながら、

始まりの合図をボイコットする…。



相馬 花梨

今日から高校3年になるあたし。

栗色の巻き髪に

人形みたいな大きな目

羨ましいなんて言う子もいるけど、

あたしは自分が大嫌いだ。



仮面を被った

自分の作り笑いも……

本当は汚い

あたしの……

心の中も。


それを覆い隠す、のんびりとした雰囲気も……



全てが、嫌い。




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