桜風 〜春の雪〜
「お〜はよっ!」
ビクッ
ほんわか気分のあたしは、後ろから突然つつかれてピンッと背筋を伸ばした。
「アユミ!おはよぉ〜。」
あたしの反応に満足そうに笑いながら――
アユミはあたしの隣へと並んだ。
「昨日は大丈夫だった?」
少し心配そうに、あたしの顔色をチェックするアユミ。
いつもよりも血色のよくなっているのを
ニヤニヤと横目で見つめながら
「昨日…なんかあった??森定に告られてたりして〜!!」
耳元でこっそり。
「もう!!そんな訳ないじゃーん!」
必要以上に強く反応してしまったあたしの頭を
ポンと軽く叩く
あぁ〜
アユミにはこういうこと……
見透かされちゃうんだよね…
「でも、告られたわけじゃないし…。別に好きとかじゃなくて〜
春雪とは…初めて仲良く話せたっていうかさぁ〜!?」
「春雪?…かなり親密になったみたいじゃーん!」
アユミはゆっくりと……
あたしの反応を楽しむように見つめている。
「それよかさぁ…
昨日サンセット行けなくて…
「あぁ〜!!
それならもういいんだ!」
あたしの言葉に被さるように…
アユミは笑顔で言った。
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