桜風 〜春の雪〜
今日の1・2限目は

1泊の懇親旅行のグループ決めだ。

うちの学校は、一応…この辺りでは

進学校でとおっているから…受験で忙しくなる前の2年生の時に

修学旅行は済ませてあるんだ。


だから、3年生では1泊の懇親会をまだ早い時期にやるんだ。



モチロン…

班作りもアユミとあたしはワンセット

わりと仲良くしている理恵のいるグループに吸収されることになった。


「こういう行事も、最後だもんね〜」

理恵がため息混じりに呟いた…。


それに同調するように

周りのみんなも寂しいため息を

ひとつついて…


結局は……


「最後なんだから羽目外しちゃおぅ!」

って一致団結してしまった。



みんなから零れる笑い声も、今だけは……

心地よい空気に混じって、あたしの耳に優しく響いてる……


太陽の強い日差しで、ポカポカな教室……


あたしは、窓の外の雲一つない空を見上げて、瞳を閉じた……。


瞼の裏に思い出す淡いピンクの桜が、とても綺麗で、もっとたくさん見ておけばよかったと少し後悔したけれど…


ざわめきの中で春雪の声を見つけだした瞬間、あたしの頬も桜色に変わってゆくのがわかった……。






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