桜風 〜春の雪〜
……

あぁ…

やっぱりあたしは、弱虫だ。


一度は心を決めたはずなのに…


まだどこかで……


アユミの言葉を恐れている。


なんて…

なんて…嫌な奴なんだろう…


親友を裏切ってしまったことよりも、

あたしは今のあたしに自ら失望してしまった。





そんなあたしの意識を

ギリギリのところで

つなぎ止めていてくれるのは…

微かに感じる



彼からの視線だけなのかもしれない。




春雪の視線だけが、薄汚れた世界からあたしを救ってくれる唯一の道標なのかもしれない……。


きっと……


春雪は気づいてないよね…?


あなたの笑顔が、どれだけあたしを救ってくれたのか……


あたし自身も、まだこの出会いの重要さに気づくことができなかった……。





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