桜風 〜春の雪〜
ヤバ!
急いで職員室行かなきゃ!
時計はもうすぐ、2時を指そうとしていた。
あたしは軽い足取りで、器用にスキップを刻みながら職員室へと急いだ。
また、直ぐに…
蓮君と会えるんだ
そう思うと
自然とフワフワと宙に浮かんでるような気持ちになって……
熱くなった頬を優しく冷やしてくれる
出来たての春の風が
とっても気持ちいい。
アユミ
ごめんね…
今日だけだから
今だけだから…
少しだけ…蓮君を
蓮君との時間を
感じさせてください。
アユミへの謝罪を
春の風に乗せて―――
少しの間だけ
あたしはアユミの事を
忘れてしまおうと…
忘れていたいと…
思ったんだ。
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