桜風 〜春の雪〜
アユミは、顔色一つ変えずに
ただ…
空虚な空を見つめていた。
太陽は
この世界を照らしてくれているのに
あたし達には
光が届かない………。
アユミ……
「あたし…アユミの親友でいたい。何よりも大切な……
友達でいたい。」
あたしの最後の呼びかけに
彼女の瞳から
涙がこぼれた……
恨み? 絶望?
それとも……
温かい思い?
あたしはその美しい泣き顔をただじっと見つめる…
彼女は悲しい顔は見せずに
ただ…涙を流した。
それが、何を意味しているのか……
あたしは解らずに――
自分の瞳から流れ落ちる涙に
指を絡ませながら……
……………
じっと…
自分の罪の重さを
見つめることしかできなかった――――。
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