桜風 〜春の雪〜

雲一つ無い


空虚な空……


あたしは――

後方から音も立てずに、浸食してくるモノから


逃げ出した………。





途中…――

すれ違ったクラスメイト達は

何か楽しそうにお喋りをしながら…

自由行動に出発するみたいだった。


そんなみんなと、同じ世界に身をおきながらも

あたしは―――

一人…

音も……

色も……

光さえも当たらない…

別の空間を

ひたすら駆け抜けていった…。






ただ一筋の………




淡い光を求めて―――








.
< 68 / 204 >

この作品をシェア

pagetop