桜風 〜春の雪〜
‡ 絶望 ‡

みんなが楽しみにしていた懇親旅行も終わって、
クラスは本格的に受験シーズンをむかえた。


休み時間になると、半分以上のクラスメイトは
参考書片手に先生への質問に出かける。


あたしにとって…

それは

有り難いことでもあった。



ひとりでいる空間が……
少しだけ……

正当化されるような気がするから……。


そして、アユミの存在が、あたしの中でどれだけ大きなものだったかも思い知ってしまう…。

アユミがいなければ、未来を決める重要な時期さえも、ただの堕落した日々に変わっていくんだ……。


ひとりぼっちになったあたしは、アユミとの間にあいてしまった、深い溝が……


この希望に満ちた、人々の熱気で気づかれないことを願っていた…。



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