桜風 〜春の雪〜

――――

朝――目を開けると、木の葉に浮かぶ雫達を、眩しい太陽がキラキラと輝かせていた……


あまりの眩しさに目を細めながら……

あたしは窓を空けて、夏の匂いを探す。




昨日までジメジメと降り続いた雨は…

強い太陽の光に

勢力を奪われてしまったように……

跡形もなく姿を消していた……。



「ん〜!気持ちいい〜!」


思いっきり太陽に向かって体を伸ばして

あたしは

いつもより念入りに

朝の支度を整えた。



やっと…

春雪に会える。






春雪……今日は学校来れるんだよね?



相変わらず鳴らない携帯に、あたしは問いかけて

部屋を出る……。





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