桜風 〜春の雪〜
――――
誰か……
いる??
その誰かさんは――
太陽の光に染められて
うっすらと…
透き通るようなサラサラの髪を揺らしてる……
「春…雪……?」
間違うわけが無いよ……。
今…
この瞬間も……
あたしの心を埋め尽くしてる……
君の姿……
ようやく、動くことを許されたあたしの体は…
汗ばんだ手で髪を整える
いつもより念入りなセット
きれいに仕上げたナチュラルメイク
可愛くなった!
って…言わせてみたいじゃない……
ねぇ……
何か…言って…?
笑顔を見せて…――
その後――
彼から発せられた言葉は――
全く予期しなかったもので……
あたしは……
遂に…
暗闇に捕まってしまった………。
何も聞こえない…
真っ暗な
出口の見えない迷路……
出口なんて、もともと存在すらしないのかもしれない…。
.