桜風 〜春の雪〜
彼…

森定くんは―――

相変わらずそっぽを向いたまま

携帯をいじくってる。



別にタイプじゃないしー…。




前から、廊下で見かけたことはあるけど、

気難しそうで苦手かも…




でも、なんかムカつくなぁ……。


よりにもよって……

こんな奴の隣になるなんて……


やっぱりついてないかも………。


ハァー

隣に聞こえるような

大きなため息をついて、
あたしは窓の方に目を向けた。


彼に対する、せめてもの仕返し…?



空は……

相変わらず真っ青に晴れ渡っていて

あたしは醜い自分に向かって


もう一度大きなため息をついた。





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