【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤
彩音side
私は気が付いたら柾樹をご飯に誘っていた。
…というかただ単に話したかった。
なんで私は懲りないんだろう?という愚問が頭の中でぐるぐる廻ったけれど、別に深い意味は…ないと言い聞かせた。
今はまだ昼なので、また後で連絡すると言う事でアドレスと番号を交換してそこで別れた。
それから私は予定通りに食材を買いに近くのスーパーに行った。
スーパーに行く途中においしそうな洋食屋さんを発見して、夜は柾樹とここでご飯食べようと、勝手に一人で決めていた。
家に帰って来た私はリビングでテレビを見てゴロゴロと過ごした。しばらくして携帯が鳴りだし、確認すると画面には"柾樹"の2文字が表示されていた。
「もっ、もしもし?」
緊張からか少し上擦った声が出た。
なんかどもっちゃったー
…ハッズ!
少し熱くなるほっぺたを手のひらで仰いで正常に戻そうとするバカな私。
「あ、俺だけど下降りて来いよ。飯食いに行くぞ」
「あっ!うん、今行…」
柾樹は素っ気なくそれだけを言うと私の返事も聞かずに速攻で携帯を切った。
耳元でツーツーという電子音を聞いてひどくない?と多少腹が立ったが、携帯を閉じた私は急いで下に降りたのだった。