【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤
「あれッ!?誰かいる!」
つらつらと考えを巡らせていた私の後ろからいきなり声が聞こえて、ビクッと跳ねた私の肩。
「朝いるのは俺だけだと思ってたのにな〜」
振り向いた先にいる見るからにチャラそうな男の人。
誰…?
その人をまじまじと見る。
ガムでも食べてるのか口元は常に動いていた。
「あっ!ねぇ君昨日バイトの面接にいたよね?」
「えっ…!?」
「ほら!ファミレスのバイトの!!」
ずいっと顔を近付けて前屈みになった彼は、私の目を上目遣いに見上げる。
ふんわり香るのはミントガムの香りなのか…
「バイトの面接には行きましたけど…」
朝からテンション高いこの男の人は誰かを連想させる。
でも残念ながら今はそんな気分じゃない。
「俺も!俺もあそこのバイトの面接昨日受けたんだ!一緒だったけど覚えてない?」
「…すいません覚えていません」
そう告げ、やたらと近い距離から遠ざかるように踵を返した私に聞こえてき言葉。