【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤
下に降りると、柾樹はだるそうにエントランス横にある花壇によっかかっていた。
昼の明るい太陽は完全に沈んでいて空はオレンジから紫に変わるくらい。
そこだけが時間が止まったみたいに見えてまるで雑誌から切り取ったみたいに絵になる彼。
そんな柾樹に見とれていたら落とした視線を上げて私を捉えた。
「あ、お腹空いてる?私行きたいお店があって、見つけたの。さっき買い物してたら。…そこに行っても良い?」
緊張して変な言い回ししちゃった!
しどろもどろになりながらもなんとか伝えた。
「行っても良いけど俺そんなに金ないから高いとこはパス」
まただるそうに答える。
「…そっか…じゃあどうする?ファミレスとか?」
勝手にあのお店に行くって決めてた私はがっくしと肩を落とした。
「そんなあからさまに残念な顔しないでくれる?今度給料入ったら、メシ奢るからさ。」
少し呆れ顔の柾樹を見ていた私ははっとする。
…………給料?
「…もしかしてバイトでもしてるの…?」