【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤
「…大丈夫?」
だけど朝井さんには泣いている事なんてお見通しで、優しい言葉を吐かれて涙なんか止まるはずがなくて
「…ひっ…うぅっ…」
言葉がでてこなくて、嗚咽を漏らす私は少し戸惑った朝井さんに抱きしめられながら泣いた。
「わ…私…わからないんです…柾樹が何を思っているか…何を考えているかが!」
一頻り泣いた後、自分の柾樹に言いたいけれど言えない言葉を朝井さんににぶつける。
キスしてきたかと思えば…急に避けたり
女の人と夜中に遊んだり…
ねぇ、柾樹は何を考えてるの?…何を思っているの?
「付き合ってるわけじゃないから何も聞けないし言えない…。そんな自分も嫌なんです!」
今まで誰にも、美菜にさえも言えなかった事を何故か朝井さんに…というか一方的に言葉を落としていた。
堰を切ったように止まらない私の言葉を朝井さんは、何も言わずにただ背中を撫でながら聞いてくれていた。