【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤


「…少しは落ち着いた?」


全てを吐き出した私に朝井さんが言う。
私の頭を撫でる手は温かくて、優しい。



「はい…すいませんでした。授業もサボらせてしまって…」


既に1限目は始まっていて、しんと静まり返った校舎。



たまに聞こえる笑い声はどこの教室からなのか…


「いいよ。そんな状態の平山ちゃん置いていけないでしょ?」

ね?とにっこり笑う朝井さんには随分余裕がある。


たった1歳差なのに感じる大人な魅力。


「ありがとうございます…」


…恥ずかしい。
我に返れば急に込み上げてくる羞恥心。


「またなにかあったら話聞くくらいはできるからいつでも言ってきな。じゃぁ1限も終わる事だし俺そろそろ行くから」



片手をあげ屋上を去って行った朝井さんを見送った私は教室に戻る気にはなれなくて、そのまま保健室に向かった。


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