【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤
とりあえず向かったのは教室。
勢い良く開いたドアにびっくりしたクラスメイトが一斉にこちらを見る。
「……彩音知らない?」
一瞬シーンとした教室。
乱れる呼吸を整えながら美菜に問い掛ける。
「今日は見てないわよ?カバンがあるから学校には来てると思うんだけど……てかアンタ一緒じゃなかったの?」
目を見開き何事かって顔したが、俺も1限目出ていなかったからなのか、美菜は勘違いしたらしい。
あいつ1限出てなかったのか…
そこで初めて知る彩音の事。
それは………あいつと一緒にいたから?
「一緒にいなかったから探してんだよ!」
イライラからか、声を荒げた俺を訝しげに眺める美菜。
どこにいるんだよ!
「美菜!多分2年の少しチャラい感じの男で彩音の知り合いって誰だかわかるか?」
チッと舌打ちをした俺は閉めかけたドアを再び開けてさっきの男の事を聞いてみた。
…多分だけれど、コイツは知っている。