【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤


「今日が私達の記念日になるね」


「だな…」


涙でぐちゃぐちゃになった顔を柾樹に向けて笑う私に柾樹も笑顔で返してくれる。


幸せ!
さっきまでのどんよりとした気分が嘘みたい!



「彩音はまだ寝てろよ?頭痛いんだろ?」


柾樹は私の頭を撫でる。
さっきも撫でてくれてたけれど、今とさっきじゃその行為が全く違う物に感じられた。



心地いい。


「大丈夫だよ。もう頭痛いの吹っ飛んだ!」


仮病だったしね…


ベッドから起き上がろうとした私をそのまま押し戻した柾樹。

背中に柔らかい感触とこの空間特有の消毒液の臭いにほのかに混じる柔軟剤の匂い。



「頭痛くなったらすぐに言えよ?」


そう言って短いキスを落とした後、手を引いて教室の方に歩きだした。


甘いー!
ヤバい!
心臓バックバクなんだけど…


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