【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤
教室に戻る途中で授業の終わりを告げるチャイムがなった。
2限目終わっちゃった…
そう思いながらも私は柾樹に手を引かれたまま教室に向かった。
チャイムと同時に騒がしくなる校舎。休み時間の今はさっきまでの静さが嘘のように生徒が廊下に溢れかえっている。
まるで鳥籠から飛び出した野鳥のように学校という窮屈な場所から一時的に解放されて羽根を伸ばす様なその光景。
柾樹を見ては飛び交う黄色い声とみんなが注目するその美貌。
モテる柾樹には当たり前の事で自分の事で精一杯な私はそんな事も忘れて柾樹と手を繋ぎっぱなしで歩いていた。
「あーっ!彩音っ!」
教室の前まで来た時私を呼んだのは美菜だった。