【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤
「あ…美菜…」
「…ってかちょっと!なんで手ぇ繋いでるわけ…?」
私と柾樹の繋がれた手を見て目を丸くした美菜。
流石美菜目ざといな…
なんて感心してる場合じゃなくて相談にのってくれてたんだし説明しなきゃ!
「あっ…これは…」
「あーっ!そっか!そっか!!そっかぁ〜もしかして…やっと付き合いだしたんだ?」
私が言おうとした言葉を遮り美菜がニヤリと笑う。
…なんでもお見通しです。ハイ。私美菜には嘘つけないかも…
美菜=千里眼が使える
心の中で勝手な方程式を作って一人満足した。
「そゆこと」
マイワールドを展開してる私を余所に柾樹が淡々と言う。
「それでさっき彩音を必死に探してたワケね…」
美菜が“なるほどね”一人納得したように首を上下させる。
「えっ…必死にって…?」
「うるせーよ」
柾樹が美菜を軽く叩く中私一人がキョトンとしていた。
柾樹の顔はさっきみたいに少し赤くなり、照れているようにも見えた。
「まぁ…よかったじゃん?やっと気持ち通じあえて?」
痛いわねなんて柾樹に言いながら私ににっこり微笑んだ。
「うん…ありがと…」
自分の事の様に喜んでくれているのが嬉しくて私はまた涙目になった。
「ちょ…なに泣いてるのよ〜!」
「嬉しくって…」
ギョッとした目をした美菜に私は泣きながら笑っていた。
そんなやりとりをしていると3限目開始のチャイム鳴り、私達は慌てて教室に入った。