【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤
「何にする~?」
メニューを見ながら美菜と彩音は、はしゃいでいた。
なんでもいいから早くしてくれ…
内心それどころじゃない俺はちらり、時計に視線を這わせた。
4時15分。
…あと1時間。
1時間以内に店を出る。
俺もメニューに目を通すが、見なくてもだいたいのメニューは覚えてるし頼みたいものは決まってる。
「じゃぁ私夏野菜スープパスタで。彩音は決まった?」
「え~っと…私は…カマンベールチーズのオムレツにする~」
美菜の問いかけにしばらく無言だった彩音はメニューをすっごい見た後にそう言った。
…相変わらずの優柔不断らしい。
そんな彩音にくすりと笑みを漏らす。
「悠士と柾樹君は?」
「「牛ホホ肉のシチューで」」
美菜の問いに答えた俺と悠士は見事なまでにハモっていた。
「柾樹もコレ好きなんだ!?」
「前に味見で食わせてもらってから気に入ってる」
「うまいよな~」
楽しみすぎてなのか何なのか、悠士はテーブルをバンバン叩いていた。
…少しは落ち着けよな。
迷惑だろうが。