【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤

「…この人は修平さん。俺らのバイトの先輩」


「よろしくね~」


修平さんは彩音と美菜に手を差し出した。


「よろしくです~」


「こちらこそ!よろしくです」

美菜はいつもと変わらない軽い感じで挨拶していたのに対し彩音は緊張したのかやけに力の入った物言いだった。



「俺今からバイトだからもう行くけど俺の彼女も君たちと同じ高校だしさ~今度一緒に遊びにでも行こうね。その時にでもゆっくり話そうね。…特に彩音ちゃん」


最後の一文は含みのある言い方をして、修平さんは事務所に消えていった。


…嫌な予感がした。
いや、嫌な予感しかしなかった。


「あっ!ヤバ!もうバイト行く時間じゃん!」


美菜が時計を見て慌てて立ち上がる。

…俺はその言葉、修平さんが来る前に言ってほしかったぞ。



「じゃぁそろそろ帰りますか~!」


悠士のその言葉を皮きりに店を出た。


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