【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤
「…で何なワケだよ?」
中庭に来るなり柾樹が切り出した。その表情は少し不機嫌。
「あんたら…昨日の保健室での事が噂になってんのよ」
「あ?」
「だーかーら!あんた達昨日保健室でキスかなんかしたんでしょ!?それが噂になってて…」
「キスしたのが噂になったら何かまずいのかよ?」
柾樹の態度に美菜がたたみかけるように言うけど言い終わる前に柾樹がそれを遮る。
柾樹と美菜は一触即発なのかやけに顔が近い。美菜は今にも柾樹の胸倉を掴みそうな勢い。
「君達2人は有名人だからその噂が脚色されてヤったとかどうとかいう噂まであるんだよね~」
ヤっ…!?
ヤってない。ヤってないし!
なにその噂!!!
悠士君が2の間に割って入って仲裁をしていたけれど、私はただただびっくりしていた。
ありえない!
何でそんな事になってるのぉーっ!?
「…どーせ噂は噂だしほっとけば勝手に消えるんじゃねーの?」
柾樹は仲裁に入った悠士君の手をどけながら美菜を見据える。
その顔には呆れた色が滲んでいた。