【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤
「柾樹は男だからそれでもいいかもだけど、彩音ちゃんはそれじゃぁ可哀想だよ」
「どうしろってんだよ?」
やけに不機嫌な彼は美菜から再び悠士君に視線を向け、胸倉を掴んで柾樹は言う。
「……まぁ気をつけなって話だよ。彩音ちゃんも他人に何言われても気にしなくて良いからね。2人は付き合ってるんだし!」
悠士君はやんわり柾樹の腕を振り解いて私に向かってガッツポーズを向けた。
「…うん。ありがとう」
「じゃぁ教室戻ろっか」
「あ、柾樹俺ジュース買いに行きたい!ちょい付き合って!」
美菜の言葉に被せて悠士君がそう言う。
柾樹の機嫌はまだまだ直ってはいない。舌打ちをして渋々悠士君に着いて先に屋上を後にした。
…大丈夫かな?
私は少しの不安を覚えながら美菜と先に教室に戻ったのだった。