【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤
柾樹Side
彩音達より先に屋上を後にして悠士はジュースを買いに行きながら話し出す。
…その為の自販機か。
「さっきも言ったけど2人は有名。柾樹は男だからどぅにでもなるけど、女の恨みは怖いんだよ」
「何だよ?女の恨みって」
「柾樹を好きな女の子が彩音ちゃんに嫌がらせするかもって事」
小銭をチャリチャリ弄びながら自販機の前でジュースを物色する悠士。
「嫌がらせ…?んなもん文句があるなら俺に言えば良いだろ!?」
「わかってないね~女ってそーゆーモンだよ柾樹のファンなんだから柾樹に文句は言わないでしょ?」
「知らねーよ」
何で俺は悠士に女の云々を聞かされてるんだか…
…ファンなんて知らねんだよ。
悠士がよっとか言いながらジュースのボタンを押したけどそれ、野菜ジュースだぞ。
「しかも彩音ちゃんあーゆー性格だから嫌がらせとかされても言えないと思うんだよね。そういう所彼氏が気付いてあげるべきだよ。ちゃんと守ってやんなよ?これは美菜の言葉でもあるから」
「…わかってるよ」
珍しくチャラけてない悠士はいつもより格好良く見えるけど残念。手にある野菜ジュースがもったいない。
「わかったなら教室帰ろうかー!」
一瞬にしてさっきまでの真面目な顔とは全く違っていつもの悠士に戻っていた。