【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤
「柾樹君おは〜」
「なんだ、美菜か…」
学校までの道のりを歩いていると後ろから声をかけて来た。
「ひどっ!なんだはないんじゃない〜?」
俺を小突きながら言う彼女だけれど……痛ぇし。
美菜は加減を知らないのか力が強い。
ギロっと睨んでも本人はどこ吹く風。素知らぬ顔している。
「…今日も彩音 先に行ったの?」
「…あぁ。先に行ったよ」
突如として険しい顔をした美菜に告げればそっか…と一言。
「あいつ…最近何もされてないよな?」
「………」
俺の問いに美菜は顔を歪ませるだけ。
「もしかして何かされてんのか?」
何時まで経っても渋い顔をしたまま答えない美菜に、嫌な予感しかしない。
「…彩音は言わないんだけど…あの子やっぱり嫌がらせされてるのかも…」
……やっぱり。
なんで?とか嘘だろ?ってゆう感情より先に思ったのはそれだった。
彩音の行動が可笑しかったから…
「私にも何も言わないからハッキリとはわかんないんだけど…たまにふらっと休み時間いなくなったりするのよね…」
美菜はうーんと唸りながら肩眉をしかめてた。