【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤


「失礼します」


真っ赤になった指は包帯でぐるぐるに巻かれるという、不格好な手当てを施された。


……大袈裟。
たかが火傷でんな事しなくてもいーのに。


「…先生俺ちょっとダルいから休んでいい?」


「ちょっと顔色悪いわね。…じゃぁこれに記入してこの時間だけ休んで行きなさい」


そう言って保健室の利用状況の紙を渡した保健医は保健室から出て行った。



「はぁー」


ベッドに寝っ転がってふと中庭の方を見る。
別に意味なんてなかった。
ただ視線を向けただけだった。
けれど視界に映ったのは



…彩音?



中庭に立ちすくむ茶色いウェーブがかった髪は紛れもなく彩音。




…その前方に立っていたのは朝井だった。


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