【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤
「…にしても俺何気に柾樹の部屋に来るの初じゃね?」
「そーだったか?」
「そーだよっ!」
酒を飲みながら悠士と話した。
別に家に来てなくても学校とバイトで顔合わせてるし、今更だけどな。
「…ところで…彩音ちゃんとはその後どう…?」
悠士は少し聞きづらそうに言った。
やっぱり聞きたいのはそこだよな…
「さぁ…?」
俺はビールを一気飲み。
「さぁって…」
呆れかえる悠士には悪いけれど、本当の事だ。
彩音とは何の接点もないんだから。
「本当情けないよな…まだ忘れられないのに…」
会おうと思えばすぐ近くにいるのにそれも出来ない。
俺といて傷つく彩音を見てられない。
俺のせいで苦しむ彩音を見たくない。
ないないずくしの俺は彩音を傷付けてばかりの臆病者。
サイテーだ。