【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤
「…で、結局これかよ…」
俺達はビリヤード場に来ていた。
その相も変わらないシチュエーションが懐かしくなり笑みが漏れる。
「俺と柾樹と言えばビリヤードでしょ!」
響はご機嫌で口笛を吹いている。
そういえば、中学時代よくビリヤード場に溜まってたな。
思い出すのは地元のビリヤード場。ガラの悪い奴らしか集まらないあのビリヤード場と違ってここはお洒落なビリヤード場。
暗い証明は一緒だけど、雰囲気は全然違う。
店内は緩い洋楽がかかってて、お香の香りが漂ってた。
客層も全然違う。
お洒落な大学生とか女子大生とかがちらほらいた。
「柾君…?」
「あ?」
「…あの…私ビリヤードよくわかんなくて…」
妃芽が俺の服の裾をつまみながら言う。
…だろうな。
妃芽は真面目だったし、な。
ビリヤードとかしなさそう。
“だから?”
「柾!教えてあげなよ」
喉まででた言葉を由宇に遮られた。
「…はぁ?」
何言ってんだお前は…