【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤
「ん〜?お兄ちゃんに買ってもらった」
「優しいお兄さんだね〜私もそんな兄が欲しいよっ!!」
なんだその激甘な兄貴はっ!!私が兄貴なら、まず買わないと思う。
その箱を見ながら笑えば彩音も笑っていた。
「……彩音、少しは楽になったの?」
その表情、仕草を見て今日会った時から思っていた事を口にする。
「えっ!?」
「前より顔色が良くなってる」
彩音の頬をぷにっとつまんでフッと笑う。
その柔らかいほっぺたはなんともさわり心地が良い。
あの暗い表情がなくなってる。
やっぱり彩音に似合うのは泣き顔じゃなくて笑顔だと思う。
ぷにぷにと触りながらふと、そう考えた。
彩音は“いひゃい!”と嘆いたいたけど。