【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤
「あ〜あやっぱり無理かぁ〜」
真剣顔から一転。へらっと笑った朝井さんはそう言って握っていた手をスッと離して私の目に手を当てる。
「…何泣いてんの?」
気付けば頬を伝う涙。
自然と溢れた涙を優しく拭ってくれる朝井さん。
触れられた手からはやっぱり安心感。
朝井さんに触れられるとなんだか、お兄ちゃんみたいに感じてしまう。
「本当に…ごめんなさい……私…実家帰ってたんです」
「うん?」
唐突に何の脈絡もない事を話し出した私に若干ぽかんとした表情を浮かべた朝井さん。
「そこで向き合う事の大切さを教えられたんです」
…翼に。