【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤
「…そいつと…付き合ってんの?」
さっきとは打って変わって、少し寂しそうな柾樹の言葉が頭に響く。
…なんで?
どうしてそう、なるの?
付き合ってるワケ…ないじゃん…
私は柾樹が好きなんだよ?
「…付き合って……ないよ…」
私は朝井さんから離れて柾樹を見る。
向き合う。
向き合わなきゃ。
逃げちゃダメ…
自分の気持ち―…
伝えなきゃ。
自然にぎゅっと手を握る力が強くなる…
「私が…好きなのは………柾樹だよ」
そう告げた声は震えていた。