【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤
「ちょっとお母さん!もう夜遅いから…私、明日行くよ!!」
本当…やめていただきたい。
娘のあれこれに口を出すのは。
私は慌ててはお母さんを止めた。
午後10時の今時分はいくらなんでも常時的に挨拶する時間ではない。
「本当に?彩音忘れたりしないでしょうね」?
私に疑いの眼差しを向けてくるお母さん。
…私、信用されてない?
ちょっと残念に思いながらも
「大丈夫だって!絶対に明日行くから!!ねっ?お母さん達も早く帰りなよ。もう遅いし、後は私一人でできるから」
もうこれ以上あれやこれや言われるのは気が滅入ると思い、ピースしながら私は言ってのける。
「しばらく会えなくなるのに、そんな追い返す様な事言わないでよ」
いつもは見ない、しょんぼりとするお母さんの姿に私は慌てた。
「ち、違うよ!今日はいっぱい手伝ってもらったし、お父さん達明日仕事でしょ?なんか悪い気がして…」
嘘は言っていない。
これは本音中の本音。
まぁ、気が滅入るってのも本音だけど。
でも、私は決してそんな事は言いいません。
だって面倒くさくなるの目に見えてるし。
「…そうかお父さん達の事を思って……そうか、そうか…」
お父さんは私の言葉に感動したのか、ただ単に飲みすぎたのか…目尻にうっすら涙を溜めていた。
そんな父を横目に見ながら
「そ。だから早く帰りなよ?私もなんか疲れちゃったから早く寝たいし」
私が頻りに言うもんだから、お母さん達は渋々帰る事になった。
お兄ちゃんは口笛吹いてたけどね。