【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤
私たちは学校の帰りにあったカフェに入ってお昼を食べる事にした。
見た目がちょっと古い、いかにも個人経営的なカフェは、レトロな雰囲気で歩く度に床がギシギシとなった。
「てゆーか、入学してたったの2週間で親睦合宿があるなんて早くない!?」
携帯をポチポチ弄くりながら美菜が言い出した。
「でも皆と仲良くなるチャンスじゃん」
うん。
悠士君そうゆうのすっごい好きそうだな。
お祭り男的な感じだし。
楽しそうに話す悠士君を横目で見ながらそう思った。
「バイトのシフト変えてもらわないと…」
はぁっと仰々しいまでの溜息をつきながら言う柾樹。
………てゆーかさぁ、うん。
「合宿があるとか言ってた?」
全くと言っていい程先生の話を聞いてなかった私は、一連の会話の真意を皆に聞いてみた。
「お前は何を聞いてたの?」
少し呆れた様子の柾樹は白けた瞳をこちらに向けてくる。
今日の夜ご飯何にしようとか思ってたから聞いてなかった…
なんて言えない。
「えっ…ちゃんと聞いてたつもりなんだけど…」
焦りながらも明らかな大嘘を吐いた。
「まっ!でも来週班決めするとか言ってたじゃん?一緒の班になんない?このメンバーなら楽そうだし」
注文しておいたパスタを食べながら美菜が言いだす。