【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤
「そうしようぜ〜俺もそれが良いと思う。楽だし」
悠士君も美菜の意見にノリノリだ。
しかし揃いも揃って楽だって言う美菜と悠士君だけど、私達今日が初対面だよ?
でも………
「そうしよ!!私もそうしたいッ!」
無言の柾樹に変わって私が言ってあげた。
だってせっかくみんなと仲良くなれたんだし、このまま柾樹が断っても困る。
「じゃあ決定ね。いいでしょ?柾樹君」
嫌とは言わせないわよ、という勢いの美菜に対して
「…いいよ」
ブラックコーヒーを飲みながら少し冷めたような声を出す柾樹。
…これ、私が先に答えてなかったら柾樹断ってたかも。
あぶないあぶないと少し冷や冷やしながら、お茶を飲む。
「じゃあ俺今からバイトだから」
ご飯を食べ終わった柾樹はそう言って、テーブルに自分の分のお金を置いて席を立ち上がった。
「あ、うんわかった〜」
ばいばいって手を振って3人で柾樹を見送る。
柾樹は振り返る事もなく左手を挙げて店内を出て行った。
「さて、今から何する?」
ご飯を食べ終わった私は美菜の問い掛けに考える。
何しよっかな〜
私この辺り全然わかんないから、2人に案内してもらうってのも良くない?
なんてったって引っ越してきたばかり…
………ばかり。
「あぁっ!私夜ご飯の用意しなきゃいけないんだった!ごめんまた、今度遊んで〜!」
自分が一人暮らしなのを忘れて、悠々と夜遊びに繰り出している場合じゃないんだった!
「そっか…じゃぁ悠士どうする?」
あら、残念って顔しながら今度は悠士君に問いかけている美菜。
「じゃぁゲーセンでも行っとくかぁ〜」
悠士君の提案で2人はゲーセンに行くことになったみたい。
「じゃぁ私達はこっちだから、彩音は気をつけて帰ってね!」
2人と別れを告げ私は自分の家に帰った。