【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤


今はお昼休み。
屋上からは中庭で生徒が仲良くご飯食べたり、遊んだりしているのが見える。

みんなはご機嫌の様子。



しかし私の機嫌はすこぶる悪かった。


「彩音!そんな不機嫌な顔してたら幸せ逃げるよ〜?」

じっと中庭を見つめていた私に陽気な美菜の声が背中に掛かる。


「彩音ちゃんどうしたの?」

美菜の隣に座っているであろう悠士君の声も聞こえる。


あーイライラするっ!



「柾樹君がモテモテでやきもち焼いてるんでしょ〜」


「あぁ!それで…」

ちらりと2人を見るとお弁当を頬張る美菜からエビフライを横取りする悠士君の姿が見えた。

…仲良しだな。
そんな光景を見てイライラが少し収まった気がしたけど


「確かに今日すっごいもんね〜ユキに始まり今何人目よ?」


取られたエビフライの代わりに悠士君の手からサンドイッチをぶんどりながら言う美菜の言葉に再びイライラした。


「さ〜今も柾樹呼び出され中だしな」


そう。お昼休みの今も柾樹は女の子に呼び出され中。


「まっそんなに気になるんなら様子見に行ったら?」


「私は別にっ…」

くるりと2人の方に向き直ればお互いにほっぺたを抓り合っていた。


「………。」

何してんの。



「いつまでもそんな顔してるつもり?気になるんなら行きなさいよ」

優しく諭しながら言う美菜だけど顔は悠士君に抓られて悲惨。

「…私ジュース買って来る」

そんな2人は放って私は屋上を後にした。


「そうそ〜柾樹今あっちの中庭に呼び出されているから〜」

悠士君は私達が居る屋上から渡り廊下を挟んだ中庭を指してバイバイと私に手を振る。





ジュースを買って屋上に戻ろうと思い向かっていると悠士君の言葉を思い出した。


−柾樹今中庭に呼び出されているから〜−


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