【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤

「そっか!でも好きって気づけて良かったわね」


「でもどうしていいかわかんないの…」


私は自分の抱える不安な気持ちを美菜に打ち明けた。

このままでもいいような気がしなくもないし、何か行動を起こして朝ご飯一緒に食べるのとかが無くなるのも……怖い。



「自分の気持ちに素直に行けばいいんじゃない?このままで良いなんて思ってないで積極的にいかないとね!でも自分の気持ちを相手に押し付けるだけじゃダメよ。私も協力するから頑張って」


ね。と念押しするように美菜は私のおでこを小突いた。


「…ありがと」

美菜に相談して少し前向きな気持ちになれた気がする。


「と、いうわけで柾樹君誘いに行くわよ〜」

は勢いよく立ちあがった美菜は私の腕を強く引っ張って半ば強引に部屋を後にした。





美菜と柾樹の部屋の前まで行って

「…男子の部屋ってなんか緊張するね…」


「そんなんでどうするのよ!!自分から行動しないと何も起こらないのよ!?」

抱きついた私を無理矢理前に押しながら言った。


だってなんか気まずくない!?
お前いきなり何の用だよって思われない!?
柾樹だけならまだしも他にもクラスメイトいるわけじゃん?
なら携帯で連絡した方が早くない?



「美菜!!携帯…」

携帯で連絡した方がいいって美菜に言おうとした瞬間


―ガチャ―


「…何してんの?」


いきなり開いたドアから出てきたのは悠士君だった。


「あ…悠士君…………。」

まさかドアが開くなんて思ってなかった私はかなり驚いた。


「…彩音が柾樹君とこの辺り散策したいんだって」

フリーズした私を見兼ねたのか美菜が悠士君にそう告げれば


「……あ〜ね。ちょっと待ってて!」

一瞬顎を摘んで何かを考えるような素振りを見せた悠士君はすぐにそう言って部屋に戻っていった。


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