【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤
柾樹side
合宿場に着いて3時にまたここに集合と言われたのでとりあえずは部屋に荷物を置きに行こうとしていると
「柾樹ちょっと待ってよ!」
悠士に呼び止められた。
「部屋まで一緒行こうや」
悠士は俺の肩に腕を回してニコリと笑った。
……暑苦しい奴め。
部屋割は出席番号順で俺はコイツと同じ部屋。
「合宿とか超楽しみじゃね?」
「別に…ダルいだけじゃね?」
悠士の口調を真似て言ってやる。
「柾樹は冷めてんね〜」
悠士はゲラゲラ笑いながら言う。
何がそんなに面白いのか。
今の会話に笑う要素はないだろ?
「別に冷めてねーよ」
むしろ悠士がはしゃぎすぎ。
高校にもなって共同生活?とか面倒なだけだろ。
「じゃあ彼女いないの?」
何を張り切ってるのか服を捲り上げる悠士はいきなり話を180度変えてきた。
じゃぁって何だよ。じゃぁって。どこからその言葉が出て来たんだよ。
「…別にいねーけど」
「じゃさ、彩音ちゃんは?」
悠士はニっと口の片端を上げた。
……初めからそこが聞きたかったんだろ。
「何が?」
悠士のこの顔イラっとする。
あー……だんだん面倒になってきた。
「どう思ってんの?」
悠士の核心をつく言葉。
「別に…」
俺はそれだけ答えると部屋に入った。