【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤
彩音side
私達が集合場所に着くと美菜達は既に夜ご飯の準備を始めていた。
「おかえり。遅かったわね」
私達を置き去りにした事なんて忘れたかの様に美菜が私達を見てニヤリと笑った。
………。
美菜の笑みが不気味過ぎて何も言えない。
「お前らなんでこっちにいんだよ?」
明らかに不機嫌な柾樹。さっきまでの笑顔はどこえやら。
「悠士とジュース買いに行ったら先生に捕まってさ〜いろいろ手伝わされてたの。ねッ悠士」
美菜は取って付けたような嘘をその艶やかな唇から吐いた。
スラスラと言ったのは、言い訳を考えてたからなのか…
“私達先に集合場所に行ってるから頑張りなさいよ!”
さっきジュースを買いに行く前に美菜が私に言った言葉だ。
「おぅ」
悠士君は美菜に合わせてそう言ったのか思い切り私にウインクしてきた。
「あっ!彩音ちゃん美菜料理ヘタすぎるから材料切るの手伝ってやって俺柾樹と米炊きに行ってくるから」
悠士君はそう言って未だに納得していない柾樹の肩に腕を回して半ば強引に米を炊きに行った。