【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤

「美菜!ごめんちょっと変わって?」

私は熱い顔を手で覆うようにして隠していた。


「何?どうしたの?顔真っ赤だけど?」

…だけど美菜にはバレバレだった。
ちょっとびっくりした顔の美菜は水に濡れた手を私の頬に当てる。


少し冷たい美菜の手が私の顔の熱を奪ってくれる。


「どうしよう変な事言っちゃった!」

「何て言ったの?」

「誰かを好きになったりしないでねって言っちゃった…」

とにかく恥ずかしい私はその場にしゃがみ込む。


マジ何言ってんだろう私……



「そっか。でも頑張ったわね」
美菜も私の目線に合わせて一緒にしゃがみ込んだ。


「彩音ちゃん頑張ったね〜じゃぁ俺があっちに行ってやるよ!」

そう言ったのは悠士君。


「あっ…いっ、今の聞いて…」
頭が混乱した私はどもってしまった。


「話聞いてなくてもなんとなくわかったけどね」

にこっと笑った悠士君は柾樹の所に向かった。


「大丈夫よ悠士は誰かに言いふらしたりするヤツじゃないから」


「……ありがと」


美菜は私の頭をくしゃっと撫でてくれて、それからは美菜とご飯が炊けるのを待った。


< 58 / 326 >

この作品をシェア

pagetop