【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤
「美菜!ごめんちょっと変わって?」
私は熱い顔を手で覆うようにして隠していた。
「何?どうしたの?顔真っ赤だけど?」
…だけど美菜にはバレバレだった。
ちょっとびっくりした顔の美菜は水に濡れた手を私の頬に当てる。
少し冷たい美菜の手が私の顔の熱を奪ってくれる。
「どうしよう変な事言っちゃった!」
「何て言ったの?」
「誰かを好きになったりしないでねって言っちゃった…」
とにかく恥ずかしい私はその場にしゃがみ込む。
マジ何言ってんだろう私……
「そっか。でも頑張ったわね」
美菜も私の目線に合わせて一緒にしゃがみ込んだ。
「彩音ちゃん頑張ったね〜じゃぁ俺があっちに行ってやるよ!」
そう言ったのは悠士君。
「あっ…いっ、今の聞いて…」
頭が混乱した私はどもってしまった。
「話聞いてなくてもなんとなくわかったけどね」
にこっと笑った悠士君は柾樹の所に向かった。
「大丈夫よ悠士は誰かに言いふらしたりするヤツじゃないから」
「……ありがと」
美菜は私の頭をくしゃっと撫でてくれて、それからは美菜とご飯が炊けるのを待った。