【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤
外に出て俺は彩音を探した。
大部屋からは少し離れた場所に中庭のような所がある。
丁寧に手入れされた花壇といくつかのテーブルと椅子が飾ってあると、昼間に彩音がはしゃいでいたのを思い出す。
呼び出すなら彼処かな…
真っ暗になったそこには外灯が数えるほどしかなくてが星がよく見える場所だった。
周辺を見渡していると不意に聞こえてきた聞き覚えのある声。
「ちょ…佐藤君!離してっ!」
声が聞こえた方を向くと昼間俺に彩音と付き合っているのか?と聞いてきた男が彩音に迫っているのが外灯に照らされ確認できた。
……迫ってると言うよりは襲われてるという方が的確。
「やめろよ」
覆い被さるようにした奴の肩を掴んで、俺はそいつと彩音を引き剥がした。そしての間に割って入って彩音を自分の背中に隠す。
「はッ!?榎並?…邪魔しないでくれる?」
良いところを邪魔されたと勘違いした佐藤はフーフー言いながら俺を睨みつける。
気持ち悪ぃ…
「…嫌がってんだろ」
できる限り低い声で言って睨み据えて警告をする。
彩音は怖かったのか俺の服の裾をぎゅっと掴んでいてそこから微かに震えているのが伝わる。
「…チッ」
男は盛大な舌打ちをしてそのまま大部屋の方に行った。
舌打ちしてーのはこっちだっての。