【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤
「なんでそんな遠くに座んだよ?」
部屋の端っこに座った私を見て柾樹が少し表情を和らげる。
フッと笑った柾樹に心臓が爆発しそうになる。
いきなりそんな妖艶な笑顔見せないでよ…
「べっ…べ、べ、別にッ?」
なんか変な声出たっ!
ドキドキと早鐘を打つ心臓のせいかやけに舌が回らない。
でも柾樹の横に座り直した私は心底安心したんだ。
さっきみたいな顔されなくて…
「じゃー俺寝るから。1時間経ったら起こしてね」
そう言うなり柾樹は畳の上にごろんとなる。
「本当に寝るの?」
「じゃぁナニしにここに来たんだよ?ヤラシー彩音ちゃん」
目を瞑ったまま言う柾樹だけど意地の悪さが含まれた顔してる…
「…」
いやいやいや…寝るの意味が違うでしょ?
私はただ本当に睡眠するかを聞いたのに!
仮眠じゃないの?って意味なのに!!!
「…わかった。1時間経ったら起こすよ」
でも既に夢に片足突っ込んだ柾樹にはそう言うしかなくて、暇つぶしの為にTVの電源をつけた。