【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤
「…柾樹?ぼーっとしてどうしたの?」
彩音が反省文を書きながら言ってきた。
「別に…」
ちらりと見れば反省文なのに何故うちのクラスはバスケで優勝できなかったかという事がレポートのように書かれていた。
…何書いてんだよ?
それ怒られるだろ?
じ、と見ていた俺に気付いた彩音は何見てんの!と身体で反省文を隠していた。
「話している暇があったらさっさと書けよ」
そんな俺達を監視していた指導係として残った担任の先生が頭を小突く。
…チッ
「「…はい」」
素直に返事をして俺達二人はその後黙々と反省文を書いた。(まぁ彩音はレポートか)
担任は俺達の事を詳しくは聞いてこない。
ただ
「先生は起こってしまった事は何も言わない。だけどその事についての反省はしてもらう」
そう言って俺達に大量の反省文を渡してきた。
昼前には反省文は書き終わっていた。
彩音のレポートを見た担任はおぉ…と狼狽えていたがそれを書き直す事を命令しはしなかった。
俺達が書いた反省文はこっそりと自分デスクに終うのだろう。
「先生今から何するんですか?」
「そうだな〜まだ他の奴らが帰ってくるまで3時間くらいあるぞ?」
彩音の質問に時計を見ながら言った担任。
今はまだ11時だ。
「マジですか…」
思わず俺は声に出して言っていた。
どこの山まで登りに行ってんだよ。
まだかなりある時間を前にため息しか出てこない。
「まぁとりあえず昼にするか!」
ニカっと笑った先生が言ったのを皮きりに昼飯を食べる事になった。