【完】お隣さんは同級生〜一人暮らしの2人〜㊤
柾樹がトイレから戻って来てしばらくしてからウエイトレスさんが私達の注文した物を運んできた。
「なんかいいバイトないかしら〜」
ピザを食べていた美菜が窓の外に視線を向けて唐突に言った。
「美菜バイトするの?なんで?」
「ん〜だってお小遣いだけじゃできる事も限られてくるし、欲しいものいっぱいあるんだよね。それに夏休みには旅行とかも行きたいしさ〜あっ!彩音一緒にしない?」
「えっ!?…うーん………美菜がするなら…しようかな〜」
お金には困っていないけれど、美菜に誘われたってのもあるし何よりバイトって楽しそうだし…やってみたいかも。
高校生=アルバイト
みたいなイメージが私にはあった。
なにより自分で働いてお金を稼ぐなんて、大人になった気がしそう。
「何?みんなバイトするの?俺もしようかな〜」
私達の会話を聞いてたのか唐揚げ定食を食べていた悠士君も会話に参加してきた。
「……じゃぁ、俺がバイトしてる所でバイトしない?」
柾樹が悠士君に言う。
「いいの!?」
「今人手が足んなくってさ。
もしするなら俺話ておくけど、どうする?」
「じゃぁそうしよっかな!知り合い居た方がやりやすそうだしなっ!」
「なんで悠士だけなのよ〜?私達はダメなの?」
不満たっぷりの視線で美菜が柾樹に言う。
「うち男しか雇ってないんだよ。だから美菜達は他探して」
「な〜んだ。そっか、じゃぁ私達は私達で探そっか」
だから私達は駅前の本屋でバイト募集の雑誌を買ってから家に帰った。