依存してみた、自滅した。



「伊井垣、俺もお前に依存していい?」



彼女の髪を、くしゃくしゃしながら尋ねる。



「ふぇ?」



もう、泣いていた。



「頼って欲しいから、お前に依存する」



「ん……」



家に帰っても、吐き気がするだけだった。


仲のよかった家族は、"兄貴と俺の仕出かした事件"によって、バラバラになった。



「風間……くん」



「雅でいいよ」



風間雅。


俺の名前。




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