LIMIT COMPLEX
リホちゃんはいつものようにどこ吹く風だ。


「ね、ねえリホちゃん、始まるまでちょっと外、出てよっか。」

「何で?あたし何か悪いことした?」

「してないけど……。」

「けど何?言いたいやつには言わせておけばいいのよ。あたしのこと何にも知らないくせに、つきあおうだの、生意気だの、あんた達こそ、何様のつもりなのよ。」


顔色一つ変えずに、

リホちゃんは、一般人なら怒りとともに吐き出すはずの科白をたんたんと言う。


「あたしは、フツーに生きてるだけよ。あたしは、あたしが見たかったからここに来たの。」
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