LIMIT COMPLEX
「……えー、昨日から……、来てくれなかったらどうしようと思ってて、

……ほんっとに、来てくれて、ありがとう。

死ぬほど嬉しい……です。」


歌い終わった後で、まだ息が乱れたまま、

ヨッシーが言う科白は、

たった一人の為に発せられてるのに、

客席では、その人以外の全員が嬌声で応えている。

当の本人は、ナツキの前で、

うちの子、大丈夫かしら?失敗しないかしら?と

お遊戯会でわが子を見守る母親のような視線をヨッシーに向けていた。
< 205 / 244 >

この作品をシェア

pagetop