びたーびたーちょこれーと。
「変わってないな、部屋」
「たかだか1年だろー」
長月はピアノの蓋を開けた。
「じゃあまずお前の腕前を見せてもらうとするかな」
「えっ、マジで?」
長月は楽譜を置いて勉強机の椅子に座った。
「へ、下手だよ?まだ数を熟してないし…」
「言い訳はいいから!ほら、早く弾けよ」
うちは少し緊張しながら、ピアノの鍵盤に触れた。
『曲に込められた想いを、願いを、祈りを……』
――――私はどれだけピアノで表現出来るだろう。