びたーびたーちょこれーと。
「さっ、アドバイスしてやっからもっかい弾け。次は感情を込めるより正しく弾く意識してみて」
「おっけー、よろしくね」
こうしてこのあと1時間はびっちり練習した。
「ふぅ…前半はかなり良くなったな」
「意外と譜読み出来てないなぁ」
「基本的なとこで躓いてちゃなぁ~」
嫌味ったらしい言い方しやがって、と言いたいのを飲み込んだ。
「ねぇ、次長月弾いてよ!今年の伴奏もう弾ける?」
「まぁな」
長月はスッと椅子に座り、静かに鍵盤に指を置いた。