びたーびたーちょこれーと。






「ありがとう」


そっと口をつける。



「立てるか?立てるようになったら送るから」


長月は麦茶を一気に飲み干し、ピアノの電源を切った。



「いや、うちこれから直接塾行くし…」


うちは鞄を掴んで立った。

でも貧血は治ってなくて、ふらついた。



「おい、無理すんなっつったろ!」

長月はうちを支えた。


「ご、ごめ…」


視界がぐらぐらと揺れる。
身体に上手く力が入れられない。


「ん…っ」

耐えられず、長月にしがみついた。


「ほら水無月、ねっころがって」


長月にもう一度ベッドに寝かされた。






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